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中国在住者が日本を離れて気づいた『日本の過剰なお客様へのサービス』

こんにちは。山本アンドリュー(@chokkanteki)です。

今回は、日本を離れて海外に暮らしを移した海外移住者(在外日本人)を特集します。

外務省が2017年に発表した統計調査によると、3ヶ月以上海外に暮らしている日本人の数は135万人を超えると発表しています。昭和43年に開始した統計調査から過去最高となっています。

国別の在留邦人を見てみると、「米国」の42万人(約32%)についで、「中国」が12万(約9.2%)とこの2カ国で全体の約4割を占めています。

そんな中国への在住経験のある「すもも」さんが日本を離れて感じた『日本の過剰なお客様へのサービス』について、記事にしましたのでどうぞ。

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日本人のサービスはピカイチだが、過剰ではないだろうか

日本人のマナー、礼儀の良さは日本人も含めあらゆる国の人々が認める特徴ではないでしょうか。それがお客様に対するものとなると、その素晴らしさはピカイチです。日本に観光で訪れた外国人が日本人の接客について絶賛するのも無理はないと思います。

私も日本に住んでいるときはお客様として、それ相応のサービスを受けることが当たり前のことだと思っていました。また、それができる日本人についてどこか誇らしくも思っていました。しかしそんな私も中国に住んでみてしばらく経ってから、日本のこの “過剰” なお客様へのサービスに違和感を抱くようになっていったんです。

中国では「店員と客の立場は同等」と考える

というのも中国に来て「客だろうが店員だろうが立場は同等」「客が言ったからといって嫌なものは嫌、無理なものは無理」という強気な対応に立ち向かわざる得なかったんです。

例えば、あるお店の店員に対して「これはどうやって使うんだ?」「これとこれの違いはなんだ?」と聞くと、「我也不知道(私も知らない)」とか「差不多(だいたい一緒だよ)」と答えてきます。※もちろん全部が全部ではありません。

いやいやいやとツッコミたくなるのですが、そうした雰囲気を出してみたところで謝ってくれるわけでも態度を変えてくれるわけでもありません。むしろこちらが文句言いたげにすれば相手はちょっと鬱陶しそうな顔さえしてきます。当然最初の頃は「客に対してどうしてそんな態度が取れるんだ!」「教育が全然されていない!」と毎回イライラしていました。

日本での生活が長いと海外とのギャップに苦しむ

なんせ日本であんなに素晴らしい接客に接して生きてきたのだから仕方がないですよね。今も全く気にならないかというと嘘にはなりますが、不思議なことに以前ほどはイライラしなくなりました。むしろふっと笑いが出て、そのままその店員とハニカミ合うことさえあります。

今では「まぁそうだよね、知る訳ないよね、ネットで見てみるね」と言ってあげたくなる時さえあります。なぜそんな風に私の見方が変わったのかというと、そういう対応が許される客と店員の関係の気楽さに気付いてしまったからなんです。

「お客様は神様だ!」なんて言ってみたら中国の店員は「こいつは気が狂ってるのか?」と思うかもしれません。そもそも考えてみると確かにそうです。店員だからってなんでも出来る訳ではないし、なんでも知っている訳ではないのです。それは至極当然のこと。

日本のサービス過剰に息苦しさを感じてしまう

なのに日本にいて店員をやっているともちろんそんなことは許されません。私も接客業をやったことがあるので分かります。店員ならお店のものはすべて把握しておかねばならないし、「分かりません」と言った日にはお客様に怒られることもあります。

もちろん私は、日本のこの素晴らしい接客スキルの高さを否定するわけではないのですが、正直最近はこういった日本のサービス過剰な部分に対して息苦しさを感じてしまうのです。

レストランに入って熱々の鉄板焼きを注文すると「お熱いのでお気をつけください。」と言葉がかけられるし、バスに乗っていると「危ないのでバスが止まるまで席は立たないでください」とアナウンスが流れます。なんて細やかで優しさに溢れているんだと感動する反面「日本人はそんなことまで言われないと、接客に満足できなくなってしまったのか」とどこか悲しくなったりします。

気付かないうちに社会に浸透している要求の高さ、それゆえの生きづらさを感じてしまいます。中国在住者になってみて改めて日本の良さとそれゆえの生きづらさを感じ、日本人はもう少し肩の力を抜けないものかと思ったりするこの頃です。

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