海外移住者の思う『日本のサブカルチャーにおける版権問題』とは?【海外の日本人】

日本を離れて海外に暮らしの基盤を移した海外移住者(在外日本人)を特集します。

去年の2018年、違法視聴可能な漫画サイト「漫画村」が日本全体を騒がせ、最終的には政府が「漫画村」「Anitube」「MioMio」名指しで悪質サイトと位置付け、サイトブロッキングをするまで騒ぎが大きくなりました。

「漫画村」においては、コンテンツ海外流通促進機構によると経済損失は約3,200億円にも及ぶと試算しています。

オーストラリアに移住して6年になる「Yukippe」さんは、ここまで経済損失が大きくなったのも、日本のサブカルチャーの版権問題なのでは?と指摘します。

海外の視点で、日本のサブカルチャーがどうしたらさらに発展できるかを見てみましょう。

日本 接客オーストラリア移住者が感動した『日本のカスタマーサービスの質』【海外の日本人】

インターネットの功罪か?

急激なインターネット社会の発達に、音楽や映画、漫画等は版権を無視して自由に取引されるようになり問題となっている。近年、ネットユーザーによく使われていた動画投稿サイトDailymotionやPANDORAの規制が厳しくなり、日本のドラマ動画の姿はほとんど見なくなったが、それに代わってタイトルを中国語で表記することでごまかした、中国系動画サイトが台頭してきた。

昔はテレビ録画を逃したらその週を見逃すごとになるので、日本人でも日本国内からこういったサイトを使って動画を観ることもあったと思う。現在は各テレビ局がTVERやフジオンデマンドなど公式に1週分や過去エピソートを視聴できるようにしているため、日本人からのアクセスはかなり減った。また、固定料金制で各種動画や映画を楽しめるHuluや世界各国で人気のNETFLIXも日本に参入し、徐々に世界に向けてコンテンツは開けてきている。

日本のサブカルチャーはまだまだ発信できていない

とはいえ、日本のサブカルチャーはその質の高さに相反して世界的な知名度はまだまだ低い。
我が夫は日本のことを「サブカル界のガラパゴス」と称する。
それは日本の強い版権保護意識や、過去にさかのぼっては江戸時代、出島と称して海外への文化の流入を制限し現在に至っても文化的に他国と大きな違いを持つ日本の背景を意味してのことである。

日本以外のアジア諸国のソフトコンテンツ戦略はどうだろうか

たとえば、先に挙げたNETFLIX。オーストラリアバージョンでは韓国ドラマや映画が最新から人気のものまで各種そろい、アメリアからはもちろんインドや中国と世界各国からドラマ映画が集まっているのに対し、日本のコンテンツは格段に少ない。とくにドラマに関しては、ほぼNETFLIXオリジナルか、深夜帯で放送されるようなドラマばかりだ。人気のあるアニメのコンテンツは前者にくらべて充実しているものの、大手集英社から発行された海外でも人気あるドラゴンボールやNARUTO,ONEPIECEなどは含まれていない。2016年より日本へのサービスを開始した世界的人気音楽アプリSPOTIFYは、最近ようやく人気アーティストが聞けるようになってきたばかりだ。ただ、大手事務所に所属するグループはほぼ対象外になっており、中でも特に強い版権意識で有名なジャニーズ事務所に関しては1グル―プも対象に含まれていない。

K-POPの世界戦略が着々と進行している

大して、隣国韓国は積極的にアーティストを海外市場に売り込み、日本でも人気の「K-POP」文化をアメリカをはじめ世界規模で共通語として認識できるまでに成長させた。SPOTIFYのカテゴリーにはPOPやCOUNTRY,など多数の音楽ジャンルの一つとしてK-POPがある。オーストラリアで日本の歌手について誰かに聞いても、ほぼ名前は上がってこない。日本で経済効果ナンバーワンといわれるアイドル、嵐でさえ隣国の韓国ではメンバー1人1人の名前は知られていない。その上でぽっとデビューした韓国アイドルの名前が世界にとどろいているのを見ると、私は少し歯がゆく悔しい。

日本のソフトの版権意識の強さ

日本の版権意識の強さはかなり高いものだ。たとえばオーストラリア在住の私が日本のメディアに触れることはほどなく、TVERなども海外からのIPアドレスなので却下されてしまう。アプリのダウンロードをもってしても同様で、日本を出てから邦画やドラマからは完全にシャットアウトされてしまっている。
その一方で、韓国や中国サイトには翻訳された海賊版がばんばん上がっているのでいる。
今や版権問題は鼬ごっこだ、一つサイトを消せば新たに類似サイトがたてられてしまう。

近年、CDセールスや雑誌・本のセールスは下降傾向にある。デジタル社会を受け、場所を取らず、簡単に見開きできる電子書籍や音楽ツールに移行されているからだ。
日本のサブカル文化、特にアニメに関してはクオリティやストーリーが密に練られ多くのファンを海外に持つ。海賊版のダウンロードはもちろん作る側も、またダウンロードする側も違法なのだが、海外のアニメファンの気持ちを考えると違法行為としりながらダウンロードしてしまう気持ちも少しわかってしまう。これだけ大きな市場があるのだから、世界に向けてもう少し日本のサブカル市場を広げればよいものを、と素人考えでいつも思う次第である。

日本のサブカルチャーをもっと世界に発信したい

先に私の夫の発言を取り上げた、日本は世界のガラパゴスという表現だが、これには島国として他の大陸とは断絶された中で、我々が独自に作り上げたたくさんの文化的財産を敬う意味合いも含まれている。そういわれると、日本が誇るサブカル文化を容易に他国にさらしてしまうのは少しはばかられる気もするのだ。とはいえ、宝の持ち腐れという言葉もあり、視聴者やユーザーが減れば、そのコンテンツは自然と消滅してしまうのである。よく、アニメーター低賃金かつ不遇な労働環境が話題に上がる。これらも、ユーザーの絶対数の増加で経済的利益が増えれば、改善されるのではないだろうか。
なんだかんだといってみたが、私が一日本国民として、私の国のサブカルチャーを海外の友人に自慢したい、評価したいというのが一番にある。
それだけ、われらのサブカル文化は特異で素晴らしいものだからだ。

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